うるう年産まれのうるう人がいる「うるうの森」
今日は4年に一度のうるう年。
4年前と、去年の12月からちょうど本日まで小林賢太郎が公演を行っていた舞台『うるう』を絵本化したものだ。
この1日が4年に1回あることで、1年が365日であることと、地球の回転のバランスが取れている。
4年に一度しかないから、小林賢太郎の『うるうのもり』を買ってきた。
- 作者: 小林賢太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/02/18
- メディア: 単行本
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12月に横浜で舞台も見に行ってたのだけど、これが今までに見たエンタメ作品の中で最高というくらいに面白かった。
小林賢太郎という人間の本職が何かは正直わからないくらいにマルチな人間だけど、そのマルチな才能がこれでもか!というくらい表現されている『うるう』という舞台作品。
散りばめられた笑いはもちろん、シンプルながらパフォーマンスを際立たせる舞台美術に映像表現。
徳澤青弦さんのチェロ演奏も舞台転換の時のSEとしてや、効果音として裏方に回ることもあれば、メインになることもあったり、感情を大きく揺さぶられてとても良い。
そして最後は見事に観客を(いい意味で)裏切り?感動の渦に誘う。
こんなに色々な気持ちがワーッとやってきて、見終わった後の充実感が半端ないエンターテイメントはこれ以外に見たことがない。
そんな舞台の絵本化作品が『うるうのもり』。
舞台版とは物語が進む目線が違う。
少年のマジル(絵本では僕)目線でヨイチ(絵本ではうるう)との交流を描くので、舞台ではあったヨイチ視点での笑い要素はカット。
ヨイチ視点でマジルを見ると、クラスで人気者な少年だけど、マジルから見ると普通の小学生。
新たな視点が加わることで舞台が完成した感じ。
それでも舞台のエッセンスは十分にあるし、ものの80ページとかで字も大きいのですぐ読める。
何より小林賢太郎の挿絵がタッチがやや怖いけれど、細かく描かれていて読んでいて楽しい。
『まちぼうけ』と『カノン』がキーになる曲だけれど、この2曲を聴いている間に読了できるレベルに読みやすく、それでいて読んだ後に残る感覚も深い。
小学生高学年とかの読書感想文とかにも向いてそうな作品。
小林賢太郎の舞台、また見に行きたいなぁ。