新御徒町の洋食「レストランベア」
10月に新刊が出ると聞いてトキメキが止まらない「孤独のグルメ」。
学生時分はなかなか作中に出てくるような個人経営の町の食事処にはなかなか入る勇気がなかった。
しかし、社会人生活も3年目になり、外で食事をとることが多いこともあって心がゴローちゃんの様になってきたのか、孤独のグルメ風いいお店を狙っては入る様になってきた。
ここを初めて見たのはちょうど一週間程前の大雨の日だった。
その時は昼の3時過ぎだったので時間が合わず入れなかったが、この出で立ちを見て「間違いない」と直感が走った。
今日仕事が新御徒町で終わったので再訪したところ、外には仕事中の常連そうなおじさん達が3人。
外に掲げられたメニューを見ながら何を話しているのだろうと思い耳をそばだてて見た。
「○○さんは絶対メンチカツ食べんだよ」
「三種盛り、そういうのもあるのか」
「へぇー、今カレーお得なんだ」
※一部孤独のグルメ風に改変しております
店前でこの様な会話が繰り広げられている店が悪いわけがあろうか、いやない(反語)
店内に入ってメニューを見ると膨大な数の選択肢が。
確かにおじさん達も店前で喧々諤々となるのも納得だ。
一通りメニューを眺め、個人的に昔ながらのよく焼いた薄い卵でしっかりと包んだオムライスにも心を惹かれた。
オムライス。
子どもの頃は母親が作ったよく火の通った卵でまかれ、少し崩れてケチャップライスがこんにちはしているオムライス。
成長し、外の洒落たカフェやオムライス専門店で食べるふわふわトロトロの卵にデミソースやホワイトソース、更にはごはんまでもケチャップではなくバターライスになったオシャレオムライス。
と変遷を辿りつつ、最終的にはよく焼き、よく巻きの古典的な洋食屋の(ニアリーイコール母親の)オムライスに回帰してくるものだ。
そんなオムライスに後ろ髪を引かれながら、選んだのはこいつ。
チーズハンバーグ定食(エビフライ付き)。
洋食屋さんらしくお皿に山盛りに盛られた大盛りのごはんと、これまた実家を想起させる優しい味の味噌汁。
こういうのでいいんだよ、こういうので。
とつい口走ってしまうラインナップ。
チーズもトロトロ、ケチャップの味が強めに出たソースとの相性もどこか懐かしくてグッド。
あと何がいいってこのお店を切り盛りしてる3人のおじ(い)さん。
店内の一角にかかったテレビを見ながらの会話がいい。
星野監督退任のニュースが流れれば「はぇ〜星野も引退かい」。
埼玉での連続放火事件のニュースが流れれば「いや〜物騒だなぁ〜」。
まるでお茶の間にいる様な、家に帰ってきた気持ちにさせてくれる。
別にテレビを見ながら接客をしないわけじゃなく、こまめにお水を入れに来てくれるし、会計後のあいさつも気持ちいい。
こういう人間臭い接客がとても好印象だ。
そんなお腹も心も満たされるレストランベア、おすすめです。