燦燦斗がある東十条という町
江戸時代の町民にとってのお伊勢さん、ムスリムにとってのメッカ、燦燦斗に関する予習はバッチリ。
待ち時間を考慮してビール(500円)と燦点盛セット(400円)がまず到着。
普段ラーメン屋さんではビールを飲まないが、やはりこのレアチャーシューを食べずにはいられないと一杯することに。
これが大正解。
レアなチャーシューはかみごたえもありつつ、じんわりと口の中に醤油ダレの味が広がる。
メンマ、ネギも絶品でチャーシューで巻いて食べるのが最強に美味い。
そして味付けたまご、この美味さが半端なかった。
口に入れた瞬間、「甘い!」の感想。
今まで味たまで感じたことのない甘みが口の中いっぱいに。
これぞ幸せということなんだろう。
そして油そば(700円)着丼。
なんじゃこの麺の香りは…
店の後ろ側に製麺機が置いてあったが店で打っているのだろうか、とにかく麺が美味すぎた。
この太麺はつけ麺も確実に美味いと感じさせる美味さだった。
この燦燦斗の何がいいって実直に調理を行う主人と接客を行うおかみさん。
麺半分の人には味たまがサービスみたいなんだけど、それを伝えるおかみさんの表情、そして提供のタイミング、笑顔どれをとっても見ていて気持ちよかった。
店を出る際に「ごちそうさま」はともかく「おいしかったよ」という言葉を残して出て行く人が多かった。
味だけじゃなくて接客、店の雰囲気全部合わせて最高の満足感を味わった証拠ですよね。
僕も自然と「おいしかったよ」まで言ってしまったもの。
ここからはラーメンが関係なくなってしまうんだけど、町の本屋さんみたいな小さめの書店に寄った。
外からみると店員のおばちゃんがひとりレジで雑誌に目を通している感じの本屋さん。
僕は本屋さんが好きで、ジュンク堂のような都心に多い大型の書店も好きだし、SPBSの様な本のセレクトショップの様な書店も好きだが、商店街に一店はある様な昔ながらの本屋さんも好きだ。
昨今の出版不況のあおりを受けて町の書店は減少傾向にある。
ついこの間も大学時代に住んでいた町に久しぶりに行ったら書店がなくなっていてどこかさみしい気持ちにもなった。
そんな中、頑張って営業を続けている(大きなお世話だが)このお店がどこか愛しくなってつい入ってしまったのだ。
入ってすぐ感じるこの町の本屋さんながらの品揃え、陳列方法。
1番特徴的なのはそう…
エ ロ 本 の 陳 列 の 仕 方
である。
都内はたぶん他の道府県よりも条例が厳しいのか大型の書店ではまずエロ本はほとんど目にしないし、コンビニで置いてあってもビニールやテープが貼ってあって中身は間違いなく見えない。
それどころか快楽天やらDVDがセットの良くあるものなど品揃えも画一的になりがちなのが通常だ。
だが町の本屋さんのエロ本は「えーっと今月号は〜」とお気に入りの雑誌を探していたら突然出てくることもしばしば。
もちろん専門のゾーンにあることも多いのだが、平然と趣味の棚にあったりもする。
このお店でもその現象は起きており、カメラやら車の雑誌に紛れて2種類平積みされていた。
一応18歳以上の方は読まないでくださいと手書きで注意喚起をされていたが失われし町の本屋さんエロ本クオリティを感じられた。
東京オリンピックに際してコンビニのエロ本も排除しようといった動きがあるとかないとか聞きますが、個人的に臭いものにはフタ精神の規制ってこのネット時代にはナンセンスだと思うんですよ。
いくら町のエロ本を規制しようが紙という媒体を超越して今の子どもたちはエロ動画を簡単にスマホやらタブレットやらPCで見れちゃう。
アナログな時代に生まれて徐々にデジタルが溢れてきた世代とすると、やはりエロへのファーストコンタクトはアナログであって欲しい。
河原で拾ったエロ本、友達の兄ちゃんから手に入れたエロ本のまわし読み、ふたりエッチなどの一般誌に掲載されているお色気漫画、大人の目を盗んでの町の本屋さんでのエロ本立ち読み、深夜のセクシー番組、父親の部屋からこっそり入手したAV…
こういったエロへの渇望からくる探究心、そしてスリルから人は大人になって行くと思うんです。
だから僕はそんな青少年の育成に役立っている(と個人的に思う)町の本屋さんがある東十条を応援しています。