バクマン。
(初めて聴いたけどいいアニソンだなぁって感じで歌詞は『バクマン。』っぽい。)
- 作者: 大場つぐみ,小畑健
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/03/02
- メディア: コミック
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相変わらず『バクマン。』が大好きです。
今最も新刊が待ち通しい漫画だなぁ。
14巻で登場した(この巻から好きが大好きになった)七峰君とのおそらくラストバトル(2度目の登場はここできたか!っていう感じだったけど、3度目になると絶対またかになる)でまたもや浮上した「プロとアマチュアの共同創作」というテーマ。
http://d.hatena.ne.jp/seikousisan/20110804/1312478601]
http://d.hatena.ne.jp/seikousisan/20111218/1324231466
↑自分の記事的にはこのへんで書いた。
前回はweb上で「優秀だと思った」読者や作家志望の顔もしらないユーザー50名を集めて、アイデアを募り、それを自分の漫画にしていった七峰君。
しかし、一部のユーザーが七峰君のやり方に疑問を示したこと等がきっかけに、統率がとれなくなり、最高と秀人の前にやぶれることとなった。
何のインセンティブもなしに、顔も見えないままのオンラインコミュニケーションではうまくファシリテーションすることができず、共同創作は失敗するといった道を辿った。
そのことを反省に七峰君は今回、会社を作るといったことで解決しようとした。
その仕組みは漫画学校の様な形をとっている。
自分がワンアイデアを出し、それをある程度のアマチュアとしての実績があり、編集なんかいらんかったんや!といった同じ志を持つ作家志望の若者を集め、プロの漫画家の指導の下に競争させてネームを描かせる。
そのネームを、見る目があると判断した高校生たちに漫画喫茶を解放した上で読ませ、アンケートをとる。
そこでもっとも人気を集めたものを落ちぶれてきたプロの作家(後にその作家に書かせるのは実験で、効果があると分かる様になれば自分で描く様になる)に書かせ、再デビューさせる。
以上のアマチュア、プロの漫画家講師、高校生皆に給料を払い、会社で作り上げた漫画の印税の6割を会社に入る様にするといった仕組みだ。
つまりは前回の反省をふまえ、
①給料というインセンティブを作り
②顔の見える場で直接対話を通じ
③限られた人数での円滑的なコミュニケーションを通じたファシリテーション
を行うことで、七峰君は勝負に出直したのだ。
結果は、少年ジャンプらしくないということで、面白い漫画はできたものの、最高と秀人には勝つことはできなかった。
しかし、このシステムで「面白い漫画」はできるということは、作品上で証明された。
創作活動においても、ソーシャルゲームやユーザー参加型のキャンペーンなどにおいても、アマチュアユーザーを上手く取り込む上で最も重要なものはやはり金銭的インセンティブなんだろうか。
もちろん人間はお金で動く所も多いし、COWCOWのあたりまえ体操でも「お金がほしい」とか言っている笑
でもニコニコ動画なりpixivなり、あぁいった場で創作活動を行っている人々のモチベーションってお金じゃないだろうし、お金をだしたからっていい作品が増えたりするわけでもないと思う。
一番の根本はやっぱり自分が創るのが好きって感情だろうし、その上でソーシャル的機能が担保されている場で作品を公開すると感想なりがきて嬉しいからまた創ろうと思うと言った様な本当に単純な人の気持ち。
この感想(コメント)をうまく活かして編集(作品のブラッシュアップ)効果を出すことができないかなぁと考えていたことがあったけど、これがなかなか上手く行かないんだろうなぁ。
単純な感想(ネ申!とかSUGEEEEEEEEとか)が多くを占めるし、議論もなかなか活性化しない。
もともとプラットフォームの性質として、「ユーザーもクリエイターも楽しむための場」っていう面が強いからなかなか創作というものに特化したプラットフォームにならないのは仕方がないけど。
じゃあ創作に特化したプラットフォームをつくって、そこを活性化させようとするとデビューを約束したり、賞金を出したりといった金銭的なインセンティブにたどりついてしまう。
金銭じゃなくて、ゲーミフィケーション的にコメントをするユーザーにもランキングをつけたり、上手くファシリテートする機能(人)があったりして、それで共同創作が活性化しないのかなぁ。
人の共同創作心をくすぐっての創作の活性化はやはり難しいのかなぁ。