seikousisanの日記

食べたり音楽(ロキノン・ももクロ他アイドル)だったり都内近辺の行く場所が多いと思います

映画『けいおん!』

今度一緒に見に行く予定の友達が先に見に行ってとてもよかったとのことだったので品川で1人見てきた。
以下、まずは箇条書きで面白かったことメモ。

・梓を除くHTTでデスデビルごっこ。
梓をだます予定のこの寸劇。
澪の恥ずかしがりやな性格はセリフの少し棒読み加減とかで読み取れたけど、もう少し挙動も恥ずかしそうにしていてよかったかも。

・律もふつうの女子高生
イギリスでラブクライシスのメンバーと会ったときの律のはしゃぎよう。
よく女の子がする「あー◯◯ちゃん!ひさしぶりー!すごーい!ぐうぜーん!」みたいなノリに似ていた。
普段男勝りな律もやっぱり女子高生なんですね。

・イギリスでのライブにおける制服×スニーカーの新鮮さ
作中はローファーか上履きスタイルだった。
けど、イギリスで急遽ライブを行うことになったのでスニーカーでのライブが実現。
女子高生のブレザー×スニーカーはいいよね。

・背景が京アニの総決算
涼宮ハルヒの消失』で見た美しい夜の明かりの感じや、けいおん!2期から積極的に入ってきたCGでの演出も含め、京アニの総決算だった。

・憂、梓、純での卓球
憂は得点役、純ちゃんはパワープレイ、梓は少し気だるそうに卓球。
なんでもないシーンだけど、キャラの描き方というのがすごくうまいなぁと思った。

・演奏シーン×3の破壊力
やっぱり泣いちゃうよね☆
最後のテレビアニメ版の『天使にふれたよ』につながるシーン以外は普通に楽しんでいるライブシーンなんだよ。
でも泣いてしまう。
瞬間を本当に楽しんでいる5人の姿に自然と目頭が熱くなってしまう。
瞬間があんなに美しく見えるのはやっぱり「終わり」があるから。
映画の終わり。
5人いっしょの女子高生活の終わり。
けいおん!』という物語の終わり。
終わりがあるからこそ、命というものは瞬間を美しく燃え上がらせるのだろうなぁ。
ライブシーンの5人は本当に輝いていた。
(脱線になるけど、帰りの電車でRootsの広告を見た。「溶けるから美しいのさ、雪も、恋も」というコピーを見てやっぱり終わりがある美しさというものはあるのか!と1人唸っていた。)

・作画の目の小ささがよりリアルな女子高生を演出
山田監督が「男の子に媚びない女の子が感情移入できる物語にしたい。」ということで映画版の作画がテレビアニメ版よりも目が小さくなった。
個人的にはこっちの方がすっきり見ることができた。
より女子高生女子高生している感じ。
萌絵からの脱却からを図りたかったのだと思うが、この『けいおん!』に抱く感情は萌えなんてものじゃない。
いわば娘の成長を見ている感覚に近いと思う、娘なんていないけどたぶんそんな感じ。
娘だからこそ、楽しんでいる様子も頑張っている様子も全て美しく愛おしくも思えるのかもしれない。

そんなこんなで全体的にほんっとーによかったです、映画『けいおん!』。
最初はy=1/2xくらいの傾きで、「のほほんとしたけいおん!」な感じで面白さがじわじわきていた。
祭の準備の方が楽しいとも言うけど、卒業旅行の準備段階も楽しげに描いていた。

イギリスでライブ〜卒業式まではy=6xくらいの傾きでそれはもう超面白くなって行く。
女子高生活最後の輝きをおもいっきり放つ様な4輪の花。
この花々が最後に向かってキレイに咲いて行くのだ。

そう、今回は卒業というものが1つのテーマになっているので主役はやっぱり4人なのだ。
アニメの最終回、というか2期の後半あたりからは完全にあずにゃん目線で卒業して行く4人を見ていた。
4人の目線からあずにゃんを見ることで今回の映画は描かれている。
あずにゃんのためにできることは何かということを映画内を通して考え続ける姿。
そして最後に導きだした答えは「私達らしい」曲を送ること。

HTTはいつになってもHTTだ。
言ってしまえば、『けいおん!』は劇場版になっても『けいおん!』なのだ。
劇場版になったからといって特別なことは何もない。
普段通りお茶をして、海外に行っても多くの時間をホテルの中でのお話に時間を使う。
そんな中でも時折ある一生懸命さ、ものごとを思いっきり楽しむ無邪気さ。
この普段着通りのHTTを映画で完璧に描き切った。
山田尚子監督は『けいおん!』を作るために生まれてきたんじゃないのかというくらいに完璧にやり切った。
ストーリーから細部の演出まで、もちろん脚本家や他のスタッフの力が関わってはいるがここまで高いレベルで『けいおん!』というものを表現できる人間はいないと思う。
山田監督に感謝。