真っ白な灰
- 作者: 小畑健,大場つぐみ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/10/04
- メディア: コミック
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『バクマン。』の最新刊があいかわらず面白い。誰からなんと言われようと、僕は今までの少年漫画史上ナンバーワンだと言ってもいいと思う。
以前のエントリでも紹介した七峰君との勝負で決着が付き、編集者の小杉との熱いやり取りが行われるのもいい。けどこの巻の1番の見所は同窓会の話だと思う。
中3で漫画家としての生活をはじめ、漫画漬けの青春時代をすごしたサイコー。久しぶりに同窓会に行くと周りの友達の話に全くついて行けない。合コン、カラオケ、ボーリング、スキー・・・
漫画漬けにしてきた時間があったからこそ、今の成功があるのだが、皆とは違う生活をしている自分にすこし戸惑う。
ここで『明日のジョー』を引用してきたところが憎い!
「真城くんはさみしくないの? 同じ年頃の青年が海に山に恋人とつれだって青春を謳歌してるというのに…」
「シュージンのいう青春を謳歌するってこととちょっとちがうかもしれないが燃えるような充実感はなんどもあじわってきた、インクだらけの原稿の上で」
「そこいらのれんじゅうみたいにブスブスと不完全燃焼してるんじゃない ほんのしゅんかんにせよまぶしいほどまっかに燃えあがるんだ」
( ※原文はこちら↓
紀子「矢吹くんは・・・さみしくないの?同じ年ごろの青年が海に山に恋人とつれだって青春を謳歌しているというのに、矢吹君ときたらくる日もくる日も汗とワセリンと松ヤニのにおいがただよううすぐらいジムにとじこもって、なわとびをしたり、柔軟体操をしたり、シャドー・ボクシングをしたり、サンドバッグをたたいたり。たまに明るいところへ出るかと思えば、そこはまぶしいほどの照明にてらされたリングという檻の中——たばこのけむりがたちこめた試合場でよっぱらったお客にヤジられざぶとんを投げつけられながら闘鶏や闘犬みたいに血だらけになってなぐりあうだけの生活・・・・しかもからだはまだどんどん大きくのびようとしているのに、体重をおさえるために食べたいものも食べずのみたいものものまず。みじめだわ、悲惨だわ。青春と呼ぶにはあまりにもくらすぎるわ!」
矢吹「ちょっとことばがたらなかったかもしれないな・・・・おれ負い目や義理だけで拳闘やってるわけじゃないぜ。拳闘がすきだからやってきたんだ。紀ちゃんのいう青春を謳歌するってこととちょっとちがうかもしれないが、燃えているような充実感はいままでなんどもあじわってきたよ・・・・血だらけのリング上でな。そこいらのれんじゅうみたいにブスブスとくすぶりながら不完全燃焼しているんじゃない。ほんのしゅんかんにせよまぶしいほどまっかに燃えあがるんだ。そして、あとにはまっ白な灰だけがのこる・・・・。燃えかすなんかのこりやしない・・・・まっ白な灰だけだ。そんな充実感は拳闘をやるまえにはなかったよ。わかるかい、紀ちゃん。負い目や義理だけで拳闘をやってるわけじゃない。拳闘がすきなんだ。死にものぐるいでかみあいっこする充実感がわりとおれすきなんだ」 )
部活やら勉強やら何かに青春時代(主に高校があたるだろうか)を費やしてきた人ならば少しは思ってしまうことだろう。
どんな形であれ、部活をやってきて、勉強に力を込めてきて後悔をすることなんて一切ない。それにかけてきたからこそ今の自分がいるのはまぎれもない事実だから。
でも、もしそうじゃない自分がいたらどうだろう。青春時代になんとなく過ごして、バイトを先生の目から隠れてしてみたり、夏休みは友達と海に行ったり、祭に行ったり、一夏のアバンチュールを経験したり。
そんな「ふつうの」高校生活ってどんなんなんだろう。
とか考えることは僕も何度もあったけど、もしもう一度自分が人間として人生をおくることができるなら、やっぱり野球を全力でやる。そして勉強も全力でやるだろうな。
全力で遊ぶのは大学になっていくらでもできる。なにより、何かに命を燃やす経験なんてそうそうできないから。
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今日したこと
・授業(田町)
・バイト(目黒)、初めて現場じゃなくてオフィスでゆっくり作業したけどもフランス人と日本人が入り交じった不思議な職場。デザイン会社でもあるので全員macで異様かつオシャレな職場。派遣社員的な作業を2時間。
・ミーティング(西千葉)