あの日見た花の名前をくろみちゃんはまだ知らない。
秩父に行ってきた。
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の聖地巡礼が主目的ではあったが、他にノスタルジーとかいろいろ感じられないかなぁとか期待をしていた。
朝6時半に家を出て、電車に乗る。
飯能を超えたあたりからどんどん山になってきて田舎とかそういうレベルじゃなくなってくる。ファッションセンターしまむらが見えたのが懐かしくなってくるレベル。
途中、高麗(こま)という駅があって、大陸となんか縁があるのかなぁと思って友達と話してたら、ボックス席の前に座っていたおばあさんが由来を教えてくれる。旧高句麗の遺民を武蔵国に移したことから由来しているそうな。高麗神社という有名な神社もあるらしい。
電車に揺られること3時間弱、西武秩父駅に到着。
駅で巡礼マップとシートをもらって散策開始。
秩父神社、関東最古の大社だとかなんだとか。徳川家康の寄進で本殿は造られたとかで極彩色の装飾があった。日光東照宮にせよ、徳川によって造られた神社って極彩色が多いイメージ。
作中ではゆきあつがランニングをしていた所ですね。なかなかいい神社。
秩父鉄道のとある線路。これだけ見たらただの線路。作中では1話でめんまが線路の上を歩いてたので有名。
定林寺。秩父の札所34カ所の内の17番目。作中ではオープニングとか、6人が集まる場所としてよく出てくる。なかなかいいお寺。
旧秩父大橋からみる秩父大橋。作中どころかもう『あの花』のキービジュアルとしても有名。
下を流れる川は荒川で、東京に住んでる僕らが知っている荒川じゃなかった。とてもきれい。下まで降りてみて水に触れてみると冷たくて気持ちいい。川の水でスイカとか冷やして食べたいレベル。
羊山公園から見下ろした秩父市街。作中では子どもの頃の様子とかオープニングで出てきますね。付近には有名な芝桜の丘がある。ゴールデンウィークとかが見頃でいつか見に行きたい。
秩父名物(らしい)蕎麦とわらじ丼のセット。蕎麦がとても美味しい。わらじ丼もソースとカツとご飯がよく合う。
炭水化物と炭水化物の夢のコラボレーション。
とかなんとかで他にもいろいろ巡ったけども、全体的に時間がすごくゆっくり流れていてよかった。曇ってて涼しかったのであんまり夏らしさとかは感じられなかったけど、12キロくらい歩いたと思うのでそれを考えたら涼しいのもよかったのかも。
じんたんとかあなるが通ってる高校のモデルの中学の近くを通った時に、夏休みだから部活中の生徒がたくさん見えた。
こっちから見えたということは向こうからも見えていたのは当然で、多くの生徒が僕達を見て「あの花、あの花。」とか言っていた。雰囲気としてはオタクを小馬鹿にしている感じ。
作中のじんたんは通学路で級友に「やどみきもーい」みたいなことを言われて登校をやめるシーンがあったけど、そんな
気分になった。現実が拡張されちゃったよ、ARはデバイスがなくても実感できると感じた瞬間だった。
子どもとは対照的に大人はそんなに巡礼者に対していいも悪いもイメージを持ってない感じだった。そもそも作品にも興味を持ってないみたいで、途中、メンチカツを買った肉屋のおばちゃんは、「あのー、なんだっけ、めんまちゃんだっけ。」みたいな感じだった。
大人は巡礼者は所詮お金を落としていってくれるお客といった印象なんだろう。対して子どもは日中はほとんど通行人を見かけない秩父に突如現れた、ストレンジャーみたいな印象なのかな。
監督は閉塞感を覚える象徴として「秩父」という舞台を選んだらしい。周りを山に囲まれ、池袋までも特急を使わなければ2時間程かかる土地はまさしく「閉塞感」に包まれた場所だ。秩父だけで全てが完結してしまう世界。
だからこそ子どもは、オタクへの認識がまだまだ都会に置ける認識(いわゆる一般化され始めている感じ)までには達していないのだろう。
オタクは気持ち悪いもの、自分達とは違うもの。そもそも秩父でオタクになろうとしても本屋すら満足にないし、アニメショップやらそんなものはあるわけない。
友達と遊んで、部活をして、オタク文化とほとんど触れることなく育っていく。そうなれば、オタクはやはりストレンジャーなのだろう。
帰宅して友達に聞いた『アニメーション制作進行くろみちゃん』を見る。
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これを見て初めて、原画家>>>動画家ということがわかった。もちろん職に貴賎はなくて、経験的に、動画経験者が原画を行える様になるということ。
そして原画ももちろん大切だがそれを統合して、世界観を整える作画監督の重要性もよくわかる。作画監督のでき次第で全く違う作品とかにもなってくるのね。
本当にモノをつくる人々には最大の敬意を払いながら、それを体現しつつ、相手の立場に立って仕事をすることがモノをつくることができない僕達にはだいじなんだろうなぁとしみじみ思う。